ちっちっchi
「黒子のバスケ」二次小説です。 管理人の妄想の限り小説を書こうと思います。 ※ホモネタ18禁ネタ多くありますのでご注意ください。また、原作とは一切関係ありません。
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『初 詣』
笠松達3年生が引退してからまだ日が浅く感じるのはウインターカップがあったおかげかもしれない。
それに黄瀬は何かと笠松とはよく会っていた。
今日もこれから一緒に初詣に行くことになっていた。
笠松の受験がうまくいくように黄瀬は高校に入る前に一度だけ行ったことがある湯島天神に行こうと計画を立てていた。
お気に入りのパンツとキャメルのコートを着ると赤と紺と白のストライプのマフラーを首に巻いて外へ飛び出した。
何もしなくても背が高く髪が金髪の黄瀬は人目をひく。
それに派手な格好をすれば誰もが彼を振り返った。
笠松との待ち合わせ場所の駅に着くと、黄瀬の周りには女性達の輪ができていた。
黄瀬はそんな女性達に嫌な顔はせずに愛想をふりまいていた。
まだ笠松は来ていないらしい。笠松を待っている間の暇つぶしとでも思ったのかやけに今日はサービス精神が旺盛で、一緒に記念撮影まで始めていた。
誰が持ってきたのか今年が卯年ということでうさぎの付け耳を黄瀬の頭にのせたり・・・
そんな時ようやくそこに笠松が姿を表した。
黄瀬が女の子達に囲まれて笑いながらうさぎの耳をつけているのを見ると、笠松は黄瀬の背中を叩いた。
黄瀬が振り向くと笠松は真っ赤な顔で俯いている。いつものように怒っているらしい。
いつものことだけど今日はまだ怒られるようなことはしていないと黄瀬は首を曲げる。
うさぎの耳をつけて首を曲げた黄瀬に一斉にシャッター音が鳴った。
「いくぞ、このバカ!」
笠松は黄瀬の手を掴んでその場を抜け出すと、丁度来た電車に飛び乗った。
黄瀬は何よりも笠松につながれている手の温もりにドキドキした。
だが電車の中では皆が黄瀬を見てクスクスと笑っている。
くそっ、誰にも邪魔されたくない。
せっかくのチャンスだ。今はまだ先輩の手を離したくない
笠松はそれでもその手を離そうとはしなかった。
黄瀬がホッとして顔を上げると
「黄瀬それは女の子にモテるのか?」
「黄瀬おまえそレよく似合うけど、公共ののリものではどうかな」
久しぶりに聞いた先輩達の声が聞こえてきた。
またしても邪魔者・・・・
さすがに笠松は黄瀬の手を離した。
くそっ!!
黄瀬が森山と早川の顔を見た。
しかし2人は笠松にひらひらと手を振りながらあっさりと離れていく。
あれ?てっきりこのままずっと邪魔されると思ってたのに・・・
黄瀬が2人の後ろ姿を見送ると森山は振り向いて意味深にウインクをした。
うっ、ゾッとする。
笠松はまた赤い顔をしている。
2人で空いていた席に座った。
地下鉄で前に映し出された自分の姿を見て黄瀬が呆然とする。
「先輩、なんで言ってくれなかったんッスか!!」
同時に笠松は真っ赤になってこらえていた笑い声を出して笑い出した。
「お前よく似合ってるからそれでこのままお参りするのも悪くねぇかと思ったんだよ」
黄瀬は一度考えてからフッと微笑んだ。
「良いッスよ、先輩がそうしたいんならそのままでも」
黄瀬はその耳を取ろうとはしなかった。
やがて湯島の駅に着くとすごい人で耳を付けていることなんか気にもならなくなる。
坂道を歩く。
黄瀬は横を歩く笠松の顔を見た。
寒さで赤くした頬にまだ少年のような純粋さを感じた。
黄瀬は笠松の手を取ってその手を握った。
さっきよりも冷え切った冷たい手を黄瀬の手で包み込んだ。
驚いた大きな瞳が少しだけ細められた。
あ、先輩・・・
黄瀬はそのまま笠松の手を引っ張って自分の胸に笠松を引き寄せた。
人混みに紛れているせいかいつもならその頬を叩かれるのに、今はおとなしい。
黄瀬は笠松の耳元に何かを囁くと笠松は一層赤くなった。
「違うよ、バカ!!」
俯きながら否定する笠松の横顔に黄瀬はまた微笑む。
だって先輩、俺が女達に囲まれていたら嫉妬してくれたじゃないッスか・・・
湯島天神の前で手を合わせて何度も願った。
“この人がいつまでも幸せでいられますように”
隣で真剣に手を合わせる笠松をじっと見つめる。
「きぃちゃん!!」
聞き覚えのある女の声に振り向くと青峰と桃井が立っていた。
「バカじゃねぇの?」
青峰の冷めた視線が黄瀬の頭に注がれた。
しまったうさぎの耳をつけたままだった。
黄瀬はすごい早業でその耳を外すと笠松の頭に付けた。
「かわいい・・・」
桃井が携帯のカメラを構えると黄瀬は笠松の手を掴んで走り出した。
ぜってい桃井なんかに先輩のかわいい写真を撮らせるもんか!
「黄瀬てめぇ!」
笠松は携帯で写真を撮る黄瀬の頭を思い切り殴る。
「いてっ!!せんぱぁぁぁい」
涙目で訴えながらも本当は笠松のうさぎの耳写真を保存していた。
これで今年一年黄瀬の携帯の待ち受けは笠松のうさぎの耳写真に決まった。
今年もいい年に違いない。
横で笠松はうさぎの耳を手にそれを黄瀬の頭に載せると携帯を取り出した。
黄瀬がウインクするとシャッター音が鳴った。
仕返しのつもりなのか満足そうに写真を保存する。
黄瀬が微笑むと笠松は赤くなって口を尖らせた。
また俺の方がモデルでカッコイイからとか言い出すに違いない。
俺には笠松先輩の方がずっとカッコイイと思ってるのに・・・
先輩・・・大好きッス
黄瀬は笠松の手をぎゅっと握ってまた走り出した。
おしまい
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プロフィール
HN:
るん
性別:
非公開
自己紹介:
黒子のバスケで笠松と桜井が何故かとても好きです。
でも黄瀬や緑間のキセキも好きです。
もちろん火神や青峰の危なっかしいところも好きで
黒子や他の誠凜メンバーも好きです。
でも一番愛しているのは海常です。。。
ちょっとカオスですがよろしければお願いします。
でも黄瀬や緑間のキセキも好きです。
もちろん火神や青峰の危なっかしいところも好きで
黒子や他の誠凜メンバーも好きです。
でも一番愛しているのは海常です。。。
ちょっとカオスですがよろしければお願いします。