ちっちっchi

　明日は笠松先輩の誕生日
プレゼントは何にしようか・・・

[7回]

スポーツタオルは去年のクリスマスプレゼントだったし、シューズは去年の誕生日にあげたからなぁ。
黄瀬はブラブラと街を歩いて見て回った。
「服もいいな、先輩ならこういうの似合いそう」
ふと足を止めた店の中から見覚えのある男が出てきた。

「緑間っち、こんなところで何をやってるッスか？」
いきなり話しかけられて緑間は黄瀬に気づいた。
「なんだ黄瀬か、服を買いに来たに決まっているのだよ」
「あんまりこういう場所って緑間っちぽくないスね」
ケラケラと笑う黄瀬に緑間はそのまま無視して歩き出す。
「あ、ちょっと待って！丁度良かった緑間っちに聞きたいんスけど、実はうちの笠松先輩の誕生日プレゼント考えてたんスけど、何かいい案ないスか？」
黄瀬は緑間を追いかけながらそう言った。
緑間は立ち止まると一層不機嫌そうな顔になった。
「何で俺がお前のチームのキャプテンのプレゼント考えなきゃならんのだ？まぁ、お前のことだからどうせ何も言わないとしつこくくっついてきそうだから教えてやろう。この時期の誕生日と言うことは獅子座か。獅子座のラッキーアイテムは確か黄色いものだったはずだ。黄色い物を探せばいいのだよ黄瀬」
一気にそんなことを言ってから緑間はハッとした。
「探す必要などないのだよ。お前が明日1日側にでもいればそれで大丈夫なのだよ」
黄瀬はポカンと緑間の顔を見ていたが笑い出した。
「そりゃあ言われなくても一緒にいるさもりスけど、それじゃあプレゼントは何がいいのかわからないスよ」
しかし緑間は「急ぐのだよ。あとば自分で考えるのだよ」と行ってしまった。

黄瀬は仕方なくまたブラブラと歩き出した。
すると向こうから紫原が歩いてきた。
「紫原っち、いいとこであった。実は・・・」
黄瀬は緑間にしたのと同じ質問を紫原にしてみた。
「え～、俺の誕生日に室ちんはいつも俺が好きなケーキくれるけど、俺は室ちんの誕生日も知らないしなぁ。だからあげたことないから知らない。力になれなくてごめんね黄瀬ちん」
聞いた相手を間違った。
黄瀬はそのまま紫原と別れてまた歩き出す。

今度はカフェで青峰と桃井を見かけた。
「これは声をかけて良いものなのか・・・」
悩んでいると桃井が黄瀬に気づいて手を振った。
「きいちゃん！！何してるの？！」
青峰もこっちを見ている。
「ちょっと邪魔しても良いッスか？」
「別にそんなんじゃないって」
桃井がケラケラと笑うと青峰が財布を出した。
「桃井とのカケで負けておごらされただけだから」
「そうッスか。それより・・・」
黄瀬は桃井と青峰にも相談してみた。
「それだったらやっぱり小物とかどう？」
「そんなもんもらっても使わねぇって」
「大ちゃん、そんなこと言ったら何がいいの？」
「俺はやっぱり巨乳アイドルの写真集かな」
「はいはい」
そういえば先輩おっぱい好きスよね。
黄瀬はひとりでクスクス笑った。
それを見た桃井が
「きいちゃん何かやらしい」
「黄瀬最低」
「何でそうなるッスか？」
結局決めることも出来ずにその場を逃げるように出てきた。

「おや、涼太」
赤司がいた。
「赤司っち、京都じゃないっスか？」
黄瀬は突然いるはずがない赤司にびっくりした。
「僕が居てもおかしくないよ。それより何か捜し物？」
きょろきょろしていた黄瀬に尋ねた。
「実は・・」
こうなったら赤司っちでもすがりたい。
黄瀬は赤司にも尋ねてみた。
「それは僕に聞くことじゃないね。少なくとも涼太の今のキャプテンがどうだろうと僕には何の関係もないことさ」
聞いた相手が悪かった・・・

やっぱりキセキってみんないざというときこんなのばかり・・・
もう誰もあてになんかしない。
黄瀬は花屋の前で立ち止まった。
「あれ、黄瀬君」
「黒子っち」
そうだこういうとき一番頼りになるキセキのひとりを忘れていた。
黒子っちならきっと！
「それなら黄瀬君の手料理でもプレゼントしてみたらどうですか？意外性があって喜ぶと思いますよ」
やっぱり持つべき物は黒子っち
「ありがとう！黒子っち！」
黄瀬は翌日笠松の誕生日に特性オムレツを作って食べさせた。
笠松先輩はおいしそうに食べてくれた。
今度は先輩を食べても良いッスかというネタはスルーされたけど・・・


おしまい

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読了、お疲れ様でした。
お誕生日に間に合いませんでした(>_<)
笠松先輩ごめんなさぁい～

お誕生日おめでとうございます！
きっと熱々な誕生日であるといいなぁ～

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