ちっちっchi
「黒子のバスケ」二次小説です。 管理人の妄想の限り小説を書こうと思います。 ※ホモネタ18禁ネタ多くありますのでご注意ください。また、原作とは一切関係ありません。
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おはようと口を動かしても音が出ていない。
敦はその様子に気づく気配もなかった。
「なぁ~んだ、起きてるなら何か言えばいいのに。それともあれ?まだ昨日のこと根に持って怒ってる?室ちん意外と執念深いし」
昨日練習の時、敦が久しぶりに「面倒くさい」とサボろうとしたことに怒った。
誠凜の試合の後、敦はだいぶ変わった。練習だって真面目にやるようになったところだったのに、何か気に入らないことがあったらしく、スネながらそんなことを言い出した。
敦みたいに才能がある選手なら別に強制する必要なんかないけど、彼は放っておくとそのまま怠け癖がつくタイプだ。
それにやっぱりその才能には嫉妬が隠せない。
いや、今はそんなことはどうでも良くて、良くないけど・・・
もっと大変なことになっていた。
敦、声が出ない
懸命にジェスチャーで伝えようとするが、敦はプイッと怒り出した。
「室ちんが絶交だって言うなら、それでもいいよ。面倒だから勝手にすれば~もういいよ俺腹減ったし食堂行く」
と誤解したまま部屋を出て行ってしまった。
どうしよう・・
ふと紙とペンを手に取った。
まぁ、誰かに伝えるのならこれで良いかもしれないけど、バスケで声が出ないと、パスさえ回せない。
はぁ~
長いため息を吐き出しても声は出なかった。
食欲はあまりないけど、とりあえず食堂へ行くことにした。
「お、氷室おはよう」
福井先輩が声をかけてきた。
声が出ず、とりあえず笑顔で会釈する。
すると福井先輩は一歩苦笑した。
「なんかさぁ~ちょっとお前がモテる理由が少しわかったわ
う~まぁ、それはまぁ・・・
とりあえず微笑んだままもう一度首を下げた。
「なんじゃい氷室声が出ないのか?」
うちで唯一の妖精はゴリラな容姿だ。
誰よりも人の窮地を見破るという特性を持っている。
そして今日も人目見ただけで俺のピンチに手をさしのべてくれた。
救世主?いえ、ありがとうございます。流石主将です!!!
「おい、そんな目でワシを見るな」
照れるゴリラはどこか可愛いところがある。
どころで俺はどうすればいいんだろう?
「氷室、心配するな。ワシがお前の言葉を発してやる」
うん、頼もしい主将。愛してます(*^▽^*)
「よせ、そんなこと言われても嬉しくなんかないぞ」
何だか言葉で会話するより、会話が成立してないですか?
これは動物的感って奴ですかね。
「おい、ワシはゴリじゃない」
いえ、会話が成立している時点でかなり怖いです・・・
マジで怖くないか?
何でだろう?
どうしてわかるんだろう?
「そりぁ、お前ワシは主将だからな。ワハハハハハ」
岡村はそう言いながら食堂から出て行った。
「なぁ~んだ、室ちん声が出なかったの?それならそうと言ってくれれば良かったのに」
そこに敦が姿を見せた。
だからそうだって何度も言ってたのに、何で主将にわかって敦には全く伝わらなかったんだろう?もうペア解消するからな!
「あ~室ちん、今俺のこと熱い視線で誘ったりしてたでしょ。朝から困るんだけど」
誰がお前みたいなのに熱い視線おくるもんか?!もう、何で通じないのかな~
これからはゴリラとコンビ組むか・・・
学校では急に声が出なくなったことを紙に書いて先生に伝えた。
おかげで指されることもなくいつもより快適だった。
どういう訳か女子がみんな俺の代弁を買って出てくれた。
だが、残念なことに主将ほど俺の気持ちを読み取れる子はいなかった。
まあ、それでも敦よりはかなりマシだな。
「これ喉に良いらしいのでぜひ飲んでください」
クラスの女の子が昼休みにペットボトルの紅茶をくれた。
笑顔で頭を下げると彼女は赤くなって去っていった。
せっかくだからパンでも買ってきて屋上で食べようか・・・
売店に行ってパンを買っていたら、福井先輩と岡村主将に会った。
「お、氷室屋上でパンでも食うのか?」
はい、そのとおりです。
微笑んで頷けば、ゴリラも微笑んだ。
本当にこの人これで顔が優しければもっと・・・いや、それは禁句だな
「室ちん、これあげる」
屋上に座ってパンの袋を広げると敦が来た。
ん?何?手に提げた袋一杯に何かが入っている。
お菓子?・・・
「あめだよ」
ありがとう
言葉に出来ないけど口だけパクパクとそう言ってみた。
敦はまだちょっと不機嫌そうな顔をしている。
何?
首を曲げると、敦が隣に座った。
「それ買ってきたの?」
紅茶を指さした。
何で気づいたんだろう?俺が普段あまり飲まないことを知っていたのか?
敦にしては珍しくめざとい。
困ったように首を振ると、敦はその紅茶のペットボトルを手に取った。
「ふ~ん、これ早く良くなってまた優しい声を聞かせてください、て書いてあるよ」
敦がボトルを指さしてそんなことを言う。
つられてボトルを見るとそんな文字はどこにも書かれていなかった。
騙したな
軽く敦を睨むと敦は知らん顔で、自分の持っていたスナック菓子の袋を開けた。
「やっぱりそうなんだ。室ちんさぁ~やっぱりムカつく」
敦はパクリと菓子を口に入れた。
それを苦笑しながら眺めて敦にお菓子の袋を突き返した。
俺はこんなに飴食べられないよ
「なに?他の誰かからはもらえるのに俺からは受け取れないっていうの?」
敦の眉がピクリと動いた。
そうじゃないんだ
どこまでも言葉がないと通じ合えないのか?
「紫原それは違うんじゃい。氷室にはそんなにたくさんの飴は食べきれないから一緒に食べようと言ってるんじゃい」
主将・・・あなたに後光が差して見えます。
危なく険悪な雰囲気になりそうだったところを感謝します。
「え~、嘘だ。何でゴリラなんかに室ちんの気持ちがわかるんだよ」
敦はまだ疑っている。
「それはゴリラだからアル」
後ろから劉が現れた。
少しホッとすると今度は劉が俺の紅茶を手に取った。
「氷室も普通男はそんなローズヒップティなんてもの買わないアル。女の子からの差し入れって見え見えアル。ゴリラへの嫌がらせも対外にするアル」
そんなぁ~
「室ちんはそんなんじゃないもん。きっと差し出された人の気持ちを考えて断れなかったからもらったんだよ」
アツシ・・・・
お前が実は誰よりも俺のことわかっていてくれたんだな。
嬉しいよ敦
「室ちん何泣いてるの?」
「だって敦が俺のこと誰よりもわかっていてくれたから嬉しくて」
「氷室声出た」
突然声が出て一同の視線がこっちに向けられた。
敦が抱きついてくる。
「俺、室ちんの声好きだし」
何だか嬉しい
「ありがとう敦」
敦の背中に腕を回した。
その場にいた劉は岡村に
「お役ご免アル」
主将がちょっとだけ寂しそうだったが笑った。
「氷室よかったな」
本当にいい人だなぁ~
主将に向かって微笑むとみんなが一斉に俺に声をかけた。
「誕生日おめでとう辰也」
敦、このお菓子は俺への誕生日プレゼントだったのか?
笑顔を敦に向けた。
最高の相棒にお礼を言った。
「Thank you!」
おわり
いつも拍手をありがとうございます。
なかなかお礼のコメントを返せずに本当にスミマセン・・・
でも、皆さんが読んでくださっていることがすごく励みになっております。
嬉しいです。
そして10月30日が氷室さんの誕生日だったのでショートストーリーを書いてみました。
誕生日なのにこんな話で失礼しました。
もっと色っぽい話のはずが、こんな風になってしまいました。
色っぽいのはまた今度ということで・・・
ところでスパーク参加された方はお疲れ様でした。
当スペースにお立ち寄りくださった方
本をお手にとってくださった方
本当にありがとうございました!
おかげさまでとても紫氷を満喫することができました^^
そして久しぶりにお会いできてお話しできた方も
楽しかったです!また次回お会いできるのを楽しみにしています(*^▽^*)
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プロフィール
でも黄瀬や緑間のキセキも好きです。
もちろん火神や青峰の危なっかしいところも好きで
黒子や他の誠凜メンバーも好きです。
でも一番愛しているのは海常です。。。
ちょっとカオスですがよろしければお願いします。