ちっちっchi
「黒子のバスケ」二次小説です。 管理人の妄想の限り小説を書こうと思います。 ※ホモネタ18禁ネタ多くありますのでご注意ください。また、原作とは一切関係ありません。
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氷室はいつもの岩場へ行った。
だが、もう火神は来なかった。
天使はそうそう地上には降りては来ないのだと聞いたことがある。
もしも誰からに遭遇しても地上で起きたことの記憶は消されてしまうと火神が言ってたことを思い出した。
きっと誰かに知られて氷室との記憶は消されてしまったのだろう。
氷室の頬から涙がこぼれ落ちた。
「あれ?」
それは次々と真珠になって海の中へポロポロと零れていく。
「あんたあのときの人魚?」
気がつくと後ろに人の気配があった。
泣いている姿を見られてしまった。
氷室が海へ戻ろうとしたところで彼は氷室の腕を掴んでいた。
「また逃げられるところだった」
彼は怖い顔でこっちを見ている。
火神が言うように血肉欲しさに捕まってしまうのかもしれない。
だが、不思議と怖くはなかった。
氷室はもう、正直どうでもいいと思っていた。
「人魚姫の伝説では人間になる薬を飲めば人として暮らせるんでしょ?」
彼は奇妙なことを言い出した。
「あんたは誰?」
「紫原敦。このキセキ城のナイト。あんたこそなんて名?」
「氷室辰也」
「じゃあ室ちんでいいね」
ナイトというわりにはどこか気の抜けた男だった。
こんなんだから海に落ちたのかもしれない。
氷室は急にこの男のことが放っておけなくなった。
「ねぇ、早く人魚の世界に行って人間にしてもらってきてよ」
あれはおとぎ話の中の話だって言っても信じてくれそうにない。
「どうしてそんなこと」
「だってお礼がしたいから」
紫原はのんびりとそんなことを言った。
「それなら聞いたことがあるアル。でも失敗したら死ぬアルよ」
本当にお話の中での話では無かったらしい。
人魚仲間の劉が怖い顔をした。
「なんだと!!お前本気か?!!」
人魚の女王であるアレックスは大剣幕で氷室の肩を揺さぶった。
「まぁまあ・・・」
周りの家臣がなだめすかす。
「そんなことのために人になるというのか?」
氷室はコクンと頷いた。
どうしてだか自分でもわからない。
けど少しでも天使のことを忘れるにはそれが一番いいのかもしれない。
「お前がそこまで言うのなら・・・」
アレックスは氷室に小瓶を渡した。
「これを飲めば人になれる。だが、海には入れない。もしも人になってから海に入れば泡となって消えてしまう。いいか!二度とここへは戻れないと思え」
氷室は最後にまたあの岩場へ行った。
そこに偶然火神が別の天使と一緒に降り立った。
氷室が近づいても火神は覚えていなかった。
一緒にいた天使がこちらを見て笑う。
「人魚でしたか?火神君は以前水の中を泳いだらしいですが僕たちには翼があります。彼ももう昔のことは忘れてしまったようです。きっともう2度と海で泳ぐことはないでしょう」
火神が氷室をチラッと見てから興味なさそうにもう一人の天使に
「黒子いくぞ」
と飛び立った。
火神は黒子と呼んだ天使と一緒に天高く青い空を飛んでいった。
氷室はそのまま両手を青い空に伸ばす。
その手は遠い空には届かない。
氷室はしばらくの間、青い空を見上げていた。
下を向けばまた涙がこぼれ落ちそうだった。
<続く>
読了、ありがとうございます。
web拍手をありがとうございます。
氷室さんのなきぼくろが大好きです。
だが、もう火神は来なかった。
天使はそうそう地上には降りては来ないのだと聞いたことがある。
もしも誰からに遭遇しても地上で起きたことの記憶は消されてしまうと火神が言ってたことを思い出した。
きっと誰かに知られて氷室との記憶は消されてしまったのだろう。
氷室の頬から涙がこぼれ落ちた。
「あれ?」
それは次々と真珠になって海の中へポロポロと零れていく。
「あんたあのときの人魚?」
気がつくと後ろに人の気配があった。
泣いている姿を見られてしまった。
氷室が海へ戻ろうとしたところで彼は氷室の腕を掴んでいた。
「また逃げられるところだった」
彼は怖い顔でこっちを見ている。
火神が言うように血肉欲しさに捕まってしまうのかもしれない。
だが、不思議と怖くはなかった。
氷室はもう、正直どうでもいいと思っていた。
「人魚姫の伝説では人間になる薬を飲めば人として暮らせるんでしょ?」
彼は奇妙なことを言い出した。
「あんたは誰?」
「紫原敦。このキセキ城のナイト。あんたこそなんて名?」
「氷室辰也」
「じゃあ室ちんでいいね」
ナイトというわりにはどこか気の抜けた男だった。
こんなんだから海に落ちたのかもしれない。
氷室は急にこの男のことが放っておけなくなった。
「ねぇ、早く人魚の世界に行って人間にしてもらってきてよ」
あれはおとぎ話の中の話だって言っても信じてくれそうにない。
「どうしてそんなこと」
「だってお礼がしたいから」
紫原はのんびりとそんなことを言った。
「それなら聞いたことがあるアル。でも失敗したら死ぬアルよ」
本当にお話の中での話では無かったらしい。
人魚仲間の劉が怖い顔をした。
「なんだと!!お前本気か?!!」
人魚の女王であるアレックスは大剣幕で氷室の肩を揺さぶった。
「まぁまあ・・・」
周りの家臣がなだめすかす。
「そんなことのために人になるというのか?」
氷室はコクンと頷いた。
どうしてだか自分でもわからない。
けど少しでも天使のことを忘れるにはそれが一番いいのかもしれない。
「お前がそこまで言うのなら・・・」
アレックスは氷室に小瓶を渡した。
「これを飲めば人になれる。だが、海には入れない。もしも人になってから海に入れば泡となって消えてしまう。いいか!二度とここへは戻れないと思え」
氷室は最後にまたあの岩場へ行った。
そこに偶然火神が別の天使と一緒に降り立った。
氷室が近づいても火神は覚えていなかった。
一緒にいた天使がこちらを見て笑う。
「人魚でしたか?火神君は以前水の中を泳いだらしいですが僕たちには翼があります。彼ももう昔のことは忘れてしまったようです。きっともう2度と海で泳ぐことはないでしょう」
火神が氷室をチラッと見てから興味なさそうにもう一人の天使に
「黒子いくぞ」
と飛び立った。
火神は黒子と呼んだ天使と一緒に天高く青い空を飛んでいった。
氷室はそのまま両手を青い空に伸ばす。
その手は遠い空には届かない。
氷室はしばらくの間、青い空を見上げていた。
下を向けばまた涙がこぼれ落ちそうだった。
<続く>
読了、ありがとうございます。
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氷室さんのなきぼくろが大好きです。
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プロフィール
HN:
るん
性別:
非公開
自己紹介:
黒子のバスケで笠松と桜井が何故かとても好きです。
でも黄瀬や緑間のキセキも好きです。
もちろん火神や青峰の危なっかしいところも好きで
黒子や他の誠凜メンバーも好きです。
でも一番愛しているのは海常です。。。
ちょっとカオスですがよろしければお願いします。
でも黄瀬や緑間のキセキも好きです。
もちろん火神や青峰の危なっかしいところも好きで
黒子や他の誠凜メンバーも好きです。
でも一番愛しているのは海常です。。。
ちょっとカオスですがよろしければお願いします。