ちっちっchi

「黒子のバスケ」二次小説です。管理人の妄想の限り小説を書こうと思います。 ※ホモネタ１８禁ネタ多くありますのでご注意ください。また、原作とは一切関係ありません。

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2024/11/29 (Fri)

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2010/10/13 (Wed)

「黒猫」１

やりたくもない仕事を毎日のようにこなしている。

[2回]

自分らしくないと思いながらも組織に逆らってどうなるか目にしてきた彼は、
逆らって生きる程バカではない。それに仕事に対する情熱も失せていた。

これでも学生時代は熱くなった事もあったというのに・・・

今ではすっかりそんな情熱は冷めきっていた。

緑間真太郎。
学生時代にバスケをやっていた人間なら一度は耳にしたことがあるほどの名プレーヤーだったのに
今ではまるで別人のように普通の会社員だ。

定時になると席を立って帰宅すること。

緑間が唯一仕事に対して見せる反骨行動だった。

同僚や先輩社員はそんな緑間のことを
『仕事はできるけど何考えてるかわからない奴』
などと言われ近づいてくる者も少なかった。

冷たい風が頬を通りすぎる。

ふと空を見上げるとどんよりとした灰色だった。

「雪になるな」

緑間はスーツの襟を立てて駅から家路へ続く道を歩いていた。

ふと足下に何かがからまってきた。

足下を見ると「にゃぁ～」と小さな黒い毛のかたまりが緑間の足に絡みついてくる。

「っと・・・邪魔なのだよ」

急ぎ足で歩く歩の隙間に体を絡ませながら緑間の顔を見上げているのは小さな黒い猫だった。緑間が避けて歩いても足に絡みついてくる。

緑間は遂に立ち止まってその猫を抱き上げた。

「うっとうしいのだよ！」

「にゃぁぁぁ」

緑間がそう言っても猫は同じように鳴くだけだった。

仕方なく少し離れた植え込みに猫を置いてからスッと体を離す。

「にゃあおん」

猫はひょいっと植え込みを飛び越えて緑間の足下にはり付いた。

冷え切った足下がほんのりと猫の体温で暖まる。

緑間は頑張って猫を避けながら何とかマンションの前までやってきた。

まだ猫が着いてくる。

「お前を飼う気はないのだよ。さっさと消えろ」

緑間はそう言ってマンションに入っていった。

猫は諦めたのか姿が見えなくなった。

緑間はホッとして風呂場へ行ってまず熱いシャワーを浴びた。

シャワーを浴びて部屋に戻って窓を見ると思った通り白い雪が落ちはじめた。

「どうりで冷え込むと思ったのだよ」

と部屋着を着込んで髪をバスタオルで拭きながら窓際のソファに座った。

不意にベランダの窓からカチカチと何かが窓を叩いているような音がした。

「何だ？」

緑間はカーテンの隙間からベランダを見たが何もない。

ふと視界の隅に黒いものをとらえてよく見ると、雪に濡れて震えているさっきの黒猫が蹲っていた。

緑間はベランダの戸を開けると猫は緑間の足下に絡みついてきた。

緑間はため息混じりに

「お前は何なのだよ・・・」と僅かに口元を上げた。

「にゃあ～」

猫は大きな瞳で緑間の顔を見上げていた。

「俺はお前のようにしつこい奴を知っているのだよ。お前にそいつの名を付けてやろう。お前は和成だ」

緑間は自分の使っていたバスタオルで猫の体を拭いてやった。

「にゃああ」

猫はお礼でも言っているように鳴きながら目を閉じた。

＜続く＞

読了、お疲れさまでした。
ｗｅｂ拍手をありがとうございます。

先日緑高絵ちゃにて黒猫高尾妄想があまりに素敵すぎて
書きたくなりました。３話か４話程度の短編ですがよろしければおつきあいください。
緑高いいですね(*^_^*)絵ちゃにておつきあいくださった方
ご覧いただけるかわかりませんけど、もしご覧いただけたら

ありがとうございました
すごくすごく楽しかったです。

緑間真太郎×高尾和成 ▲Top