ちっちっchi

氷室はメンバーが宿泊しているホテルに戻ると自分の部屋に戻った。

※ここからは下をクリックしてお読みください。また拍手コメントお返事もあります。

[5回]

幸い紫原はぐっすり眠っていた。
気づかれないようにバスルームへ行き、シャワーを浴びた。
シャワーを浴びて部屋に戻ると紫原はベッドの中で目を開けていた。

「室ちんどこへ行っての？」
しまった、気づかれた。

氷室はバスタオルを腰に巻き付けたままタオルで濡れた髪を拭いた。
冷蔵庫から冷たい水の入ったボトルを取り出す。
「ちょっとブラブラしてきただけ」
そんな嘘はすぐに見抜かれると知りながらも、答えようがなかった。
ところが紫原の指先が急に氷室のバスタオルから覗いた太股に触れた。

「ここどうしたの？」

そう指摘されて自らの太股に視線を落とすと、悪戯に青峰と戯れた痕跡がしっかりと残されていた。
「あれ？どうしたんだろう？」
氷室はただそう微笑んだ。
しかし、紫原は不機嫌な顔のままだ。

「とぼけてもだめだよ。一体誰が室ちんにキスマークなんかつけたのさ」
敦がキスマークを知ってるのか？

氷室はそのことの方が驚きだった。

「敦はどうしてこれがキスマークだと思ったの？誰かにつけたことがあるの？」
逆に氷室が笑顔のまま紫原に尋ねると、今度は紫原が困ったような顔になった。

「それは・・その・・・えっと・・・」

「やっぱり敦は他の誰かにそんなことをしたことがあるんだね」

氷室の顔から笑顔が消えると紫原は氷室に抱きついてきた。

「ごめんなさい。でも大分昔だし、今は室ちん意外にそんなことしないから許して。俺が室ちんのここにもっと新しくつけてあげるから」
と紫原が青峰の痕跡の後を上書きする。

ああ・・・そうか
俺にはこの大きな子供のような敦がいるんだ。
こうしていると一番癒される。
だけど、あれはあれで必要なんだと思う。
敦ごめんね。
俺は腹黒い男だよ
敦のピュアな心を弄んで
でもこれからも一緒にいてくれると嬉しいんだけど・・・

「ん？」
紫原が顔を上げた。
彼の瞳に大きく氷室が映し出された。
その唇が重ねられると全身が喜びに震えた。
好きだよ敦


＜おわり＞

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読了お疲れ様でした。
web拍手をありがとうございます！
さて、今回は夏の新刊の「迷い猫」の続編として書いてみました。
多分「迷い猫」を読まなくてもわかると思います。
でも読むと余計に「なるほど」と思っていただけます。
氷室さんは気が多いんじゃなくていつもさまよう迷い猫ですが、今のところ彼の帰るべき場所は紫原ならいいなぁ～と思っています。

ここからは拍手コメントのお返事です。
反転してお読みください

三角様＞　はじめまして！コメントありがとうございます！
　　　　　　　ですよね～桜井君は強引に押し倒していろんなことをされてしまいそうで萌えますよね。
　　　　　　　またぜひ遊びにいらしてください(*^▽^*)